知育と遊びを両立させる考え方|遊びの中で学ぶという新しい視点

教育方針・子育て価値観

子供に賢く育ってほしい。その思いから、知育に力を入れる家庭は多くあります。一方で、詰め込みすぎて子供が遊ぶ時間を失っていないか、という不安もつきまといます。

知育と遊び、どちらも大切にしたいけれど、どうバランスを取ればいいのか。実は、この二つは対立するものではなく、遊びの中にこそ学びがある、という視点を持つと、両立の道が見えてきます。

ここでは、知育と遊びを両立させる考え方を、遊びの中で学ぶという視点から整理します。年齢に合った遊びの選び方は子供の年齢別の遊び方完全ガイドもあわせてご覧ください。

知育と遊びは対立しない

知育と遊びを、別々のものと考えると、時間の取り合いになってしまいます。けれど、幼児期の学びの多くは、遊びの中で自然に起こると考えられています。積み木を積むことは数や形の感覚を、ごっこ遊びは言葉や社会性を、外遊びは体の使い方を育てます。つまり、遊びそのものが学びの場であり、この二つは対立しません。「勉強か遊びか」ではなく、「遊びの中でどう学ぶか」と考えると、両立の見通しが立ちます。

知育とは何を指すのか

知育という言葉は、幅広く使われています。ドリルやフラッシュカードのような、知識やスキルを直接教えるものを指すこともあれば、遊びを通して考える力や感性を育てるものを指すこともあります。

前者は成果が見えやすい一方、詰め込みになりやすい面があります。後者は、遊びと地続きで、子供が主体的に取り組めます。どちらがよいと一概には言えませんが、幼児期には、遊びと結びついた学びのほうが、子供の負担が少なく、自然に力がつくと考える専門家が多くいます。

詰め込みすぎの弊害

遊ぶ時間が失われる

知育を詰め込みすぎると、子供が自由に遊ぶ時間が削られます。遊びの中で育つはずの力が、かえって伸びにくくなることもあります。

やらされ感が生まれる

親主導で課題をこなさせると、子供は「やらされている」と感じ、学ぶこと自体を嫌いになることがあります。主体性が育ちにくくなるのは、長い目で見て損失です。

親も子も疲れる

成果を求めて予定を詰め込むと、親も子も消耗します。焦りや比較が生まれ、子育てが窮屈になります。ほどよい距離感を保つことが、続けるコツです。

自由な遊びが育てるもの

知育の成果は見えやすい一方、自由な遊びが育てるものは、すぐには目に見えません。けれど、自分で遊びを考え、試行錯誤し、夢中になる経験は、考える力や創造性、粘り強さといった、テストでは測れない力を育てると考えられています。

こうした力は、非認知能力と呼ばれ、長い目で見て学びや生きる力の土台になるとされています。ドリルで得られる知識も大切ですが、自由な遊びでしか育たないものもある。

両方に目を向けることが、バランスの取れた育ちを支えます。もちろん、こうした効果には個人差があり、遊びが必ず特定の力を伸ばすと断定はできませんが、遊びの価値は広く認められています。

家庭でのバランスの取り方

遊びを学びの機会と捉える

日常の遊びの中に、学びの要素はたくさんあります。料理を手伝う、買い物で数を数える、外で自然を観察する。特別な教材がなくても、遊びや生活の中で学びは起こります。この視点を持つと、知育と遊びを分けて考えなくて済みます。

子供の興味を起点にする

親が与える課題より、子供が興味を持ったことを深めるほうが、意欲が続きます。子供が夢中になっているものに関連づけて、少しだけ学びを広げると、自然に力がつきます。

詰め込みすぎず、余白を残す

予定を埋め尽くさず、子供が自由に過ごす時間を残すことが大切です。何もしない時間や、思い切り遊ぶ時間があってこそ、学んだことが定着し、次の意欲が生まれます。制限と自由のバランスは子供への制限と自由、どこまでが正解?も参考になります。

思い切り遊ぶ時間も学びのうち

知育に関心のある家庭ほど、遊びの時間を「もったいない」と感じてしまうことがあります。けれど、思い切り遊ぶ時間は、学びの時間そのものです。

家では味わえない遊びや、体を思い切り動かす経験は、家庭の知育では得られない刺激を子供に与えます。

代々木上原のKids Baseのような施設で、子供が自分から夢中になって遊ぶ時間は、集中力や創造性を育む機会になります。机の上の学びと、体や五感を使った遊びの両方があってこそ、子供の育ちは豊かになります。遊びを学びと切り離さず、どちらも大切にする姿勢が、両立のカギです。

年齢に応じた両立の考え方

知育と遊びの両立の仕方は、年齢によっても変わってきます。乳幼児期は、遊びそのものが学びのすべてと言ってよく、特別な教材より、五感を使った遊びや親とのやりとりが大切です。

幼児期になると、興味に応じて、数や文字、自然への関心が芽生えます。この時期は、遊びの中に学びの要素をさりげなく取り入れると、無理なく力がつきます。就学が近づくと、机に向かう時間も少しずつ必要になりますが、それでも遊びの時間を削りすぎないことが大切です。

どの年齢でも共通するのは、子供が主体的に楽しめているかどうかを大切にすることです。やらされる学びではなく、子供自身が面白がって取り組む形をつくると、知育も遊びも生きてきます。

親の関わり方で変わるもの

知育と遊びの両立は、親の関わり方によっても大きく変わります。成果を急いで、正解を教え込もうとすると、子供は受け身になり、学ぶ意欲が育ちにくくなります。

逆に、子供の発見や工夫を認め、一緒に面白がる姿勢でいると、子供は自分から考えるようになります。「これは何だろう」「どうしてだろう」という子供の問いに、すぐ答えを与えるのではなく、一緒に考える。そうした関わりが、知育の教材以上に、子供の思考力を育てます。

親が肩の力を抜いて、子供と一緒に遊びや学びを楽しむこと。それが、知育と遊びを無理なく両立させる、いちばんの土台になります。周りと比べて焦らず、その子のペースを尊重する姿勢が大切です。

知育教材との付き合い方

ドリルやワーク、知育玩具などの教材は、うまく使えば学びの助けになります。

ただ、教材に頼りすぎると、子供が受け身になったり、やらされ感が生まれたりすることもあります。教材を使うなら、子供が楽しんで取り組めているかを見ながら、無理のない範囲で取り入れるのがコツです。

子供が興味を示さないものを無理にやらせても、身につきにくく、学ぶこと自体を嫌いになる原因にもなります。教材はあくまで一つの選択肢で、それがすべてではありません。子供が夢中になっている遊びの中にも、数や文字、考える力を育てる要素はたくさんあります。教材と遊びを対立させず、その子に合った形で組み合わせることが大切です。

周りと比べず、その子のペースで

知育に力を入れていると、つい他の子と比べて焦ってしまうことがあります。

あの子はもう字が読める、うちの子はまだ、といった比較は、親の不安をあおり、子供にプレッシャーを与えます。けれど、子供の発達には個人差が大きく、早くできることが必ずしも将来につながるとは限りません。

大切なのは、その子が今、何に興味を持ち、何を楽しんでいるかです。周りのペースではなく、その子自身のペースを尊重し、興味の芽を大切に育てる。焦らず、じっくり付き合う姿勢が、結局は子供の学ぶ意欲を長く支えます。知育も遊びも、子供が笑顔で取り組めているかを、いちばんの基準にしたいものです。

生活の中にある学びの機会

知育というと、特別な時間や教材が必要だと思いがちですが、実は日々の生活の中に、学びの機会はあふれています。

料理を手伝えば、量を量ったり、順番を考えたりします。買い物では、数を数えたり、お金のやりとりを見たりします。散歩に出れば、季節の変化や、生き物、標識など、興味を引くものにたくさん出会います。こうした日常の経験は、机の上の学習では得られない、生きた学びです。

親が「これは何だろうね」と一緒に興味を持つと、子供の好奇心はさらに広がります。特別なことをしなくても、日々の暮らしを子供と一緒に丁寧に体験するだけで、多くの学びが生まれます。知育のために時間を確保しようと気負うより、生活や遊びの中にある学びの機会に目を向けるほうが、子供にとっても親にとっても無理がありません。

遊びも生活も、すべてが学びにつながっているという視点を持つと、子育てが少し楽しくなります。

「遊びの中で学ぶ」を軸に両立する

知育と遊びは、対立するものではありません。

幼児期の学びの多くは遊びの中で起こり、自由な遊びは、テストでは測れない力を育てます。知育を詰め込みすぎると、遊ぶ時間もやる気も失われがちです。遊びを学びの機会と捉え、子供の興味を起点にし、余白を残す。そして、思い切り遊ぶ時間も学びのうちと考える。「遊びの中で学ぶ」という視点を軸にすれば、知育と遊びは無理なく両立し、子供が主体的に育つ土台になります。

知育に力を入れたい気持ちと、遊びを大切にしたい気持ちは、どちらも子供を思うからこそのものです。その二つを対立させず、遊びの中に学びを見いだし、生活の中の経験を大切にする。そして何より、子供が楽しんで取り組めているかを基準にする。

そうすれば、知育も遊びも、子供の育ちを豊かにする力になります。周りと比べて焦らず、その子のペースを信じて、じっくり付き合っていきたいものです。子供が自分から「面白い」「やってみたい」と思える環境をつくることが、どんな教材にも勝る、いちばんの学びの土台になります。

幼児期は、人生の中でも特に、遊びと学びが分かちがたく結びついている時期です。この時期に、子供が夢中になって遊び込む経験をたっぷり積むことが、その後の学ぶ意欲や、粘り強く取り組む姿勢の土台になると考えられています。

知育の成果を急がず、遊びの時間を惜しまない。その姿勢が、遠回りに見えて、子供の育ちを長く支える近道になります。

※本記事は一般的な情報をまとめたものであり、教育効果には個人差があり、諸説あります。特定の教育方法を推奨・否定するものではありません。