娘が5歳のとき、Switchを欲しがりました。友達の家にはあって、うちにはない。その差に気づいた年齢でした。
私はそのとき、理由を長く説明しませんでした。「買わないよ」とだけ伝えています。娘は少し悲しそうな顔をしましたが、激しくごねたり、何日も言い続けたりすることはありませんでした。
それから4年が経ちました。娘は9歳になり、我が家にSwitchは一度も入っていません。この記事では、よく指摘される悪影響を中立に整理したうえで、実際に買わずに過ごした家庭で何が起きたのかを、できるだけ正直に書きます。
何歳から与えるかという判断そのものは、子供のスイッチは何歳からに別途まとめています。
なお、家では持たせずに外で時間を区切って触れさせる方法もあります。代々木上原のKids Baseは完全予約制・時間制の室内プレイグラウンドで、Switchやタブレットを区切られた時間の中で遊べます。
よく指摘される3つの心配ごと
Switchについて挙げられる懸念は、大きく3つに整理できます。いずれも「必ずそうなる」という話ではなく、使い方によって程度が変わると言われています。
- 視力への影響:近い距離で長時間画面を見続けると、目の負担になると指摘されています。近視との関連を示す研究もありますが、屋外で過ごす時間の長さなど、ほかの要因も大きいとする見方があります
- 睡眠への影響:寝る前の強い光や興奮は、寝つきを悪くすると言われています。就寝前の時間帯の使用が特に問題になりやすいとされます
- やめどきを決めにくい設計:区切りがつきにくく長時間になりやすいため、生活リズムが崩れる心配が挙げられます
共通しているのは、どれも「長時間」「就寝前」「無制限」という条件がそろったときに問題が大きくなるという点です。逆に言えば、時間と場面を区切れば、心配の多くは和らぎます。
視力への配慮は子供のゲーム・タブレットと視力、時間の目安は子供のゲームは1日何時間までにそれぞれ詳しくまとめています。
一律に悪者にする必要はない、という見方
一方で、ゲームそのものを避けるべきものと決めつける必要はない、という考え方もあります。ルールを決めて使えば、手先の操作や集中、友達との共通の話題といった側面もあると言われます。
私自身は、比較的自由に育てられました。ゲームも漫画も、家にある分には制限されなかったほうだと思います。その経験から、デジタルに触れること自体が子供を損なうとは考えていません。
ただし、自由にさせることと、社会でうまくやっていけるかどうかは、必ずしも直結しないとも感じています。人に迷惑をかけないといった基本は、親からしっかり教わりました。自由と放任は違う、というのが実感です。
家庭の方針はさまざまで、どれが正しいということはありません。制限をかける家庭にも、自由に触れさせる家庭にも、それぞれの考えがあります。よそと同じにすることより、自分の家庭が納得できる線を決めるほうが大切だと思います。
制限と自由のバランスについては子供への制限と自由、どこまでが正解かでも整理しています。
買わないと決めた4年間で、実際に起きたこと
ここからは、我が家で実際に起きたことを書きます。効果を証明する話ではなく、ひとつの家庭で何が起きたかという記録として読んでいただければと思います。
5歳から9歳までの4年間で、娘はSwitchを一度も遊んでいません。家にないので、そもそも機会がありませんでした。
心配していたのは、学校での会話についていけなくなることでした。ゲームの話題が中心になる時期はあります。ただ、私が見ている限り、娘がそれで困っている様子はありませんでした。
これは「困らなかった」と断言できる話ではありません。本人が言わなかっただけかもしれません。それでも、家の中で荒れたり、買ってほしいと繰り返し訴えたりすることは、この4年間ありませんでした。
「買わない」と「禁止する」は、まったく別だった
4年経ってはっきり分かったのは、我が家がやっていたのは「デジタルの全面禁止」ではなかった、ということです。
娘はいま、タブレットでマインクラフトを遊んでいます。ソフトは購入しました。YouTubeも見ます。好きなのはマインクラフトの実況動画で、特定の実況者を追いかけています。そのほか、可愛い動物やお絵描き、工作や実験の動画もよく見ています。
ただし、YouTubeを家のテレビで見ることはありません。大画面で流しっぱなしにする形は、結果的に避けてきました。
つまり実態は、禁欲というより端末と場所を選んでいるに近い状態です。何を禁じるかではなく、どの機械で、どこで触れるかを決めていた。振り返るとそういう4年間でした。
マインクラフトについてはMinecraftは子供にいい?で別途まとめています。
買わない選択の具体策はSwitchを買わずに子供を遊ばせる現実的な選択肢にあります。
時間の長さより、予定に紐づけたほうが守られた
ここは、我が家で最もはっきり差が出た部分です。同じ「ルール」でも、守られるものと緩むものがありました。
守られているのは、テレビの時間です。水曜のそろばん教室のあと、金曜の塾のあと、というように、習い事の予定に紐づけてあります。やることが終わった合図としてテレビがあるので、順番が崩れにくいのだと思います。
一方、マインクラフトは当初「木曜だけ、1回30分まで」と決めていました。これは現在、正直に言って緩んできています。時間の長さだけで区切ったルールは、理由が生活の中に埋め込まれていないぶん、維持する力が弱いようです。
ここから思うのは、ルールは一度決めて終わりではないということです。完璧に保とうとするより、緩む前提で見直したほうが現実的です。我が家も、そろそろ決め直す時期だと感じています。
ルールの作り方は子供にゲームのルールを守らせるにはにまとめています。
終わりにするときに、我が家で効いた声のかけ方
悪影響の多くは「やめどき」の問題に集約されます。ここは具体策があるので、実際にやっている方法を書きます。
基本は、終わる前に予告することです。「あと何分で終わり」と先に言っておきます。いきなり取り上げると、反発のほうが強く残ります。
それでも「もっと見たい」と返ってきたときは、こちらで決めずに聞き返します。「じゃあ何分にする?」と、本人に言わせる形にします。
希望が長すぎることもあります。「15分」と言われたら、そこで交渉します。「長いから5分は?」とあえて短めを示すと、「短い」と返ってきます。そこで「間をとって10分にしよう」と着地させます。10分に落としたいときは、あえて短く提示するのがコツです。
動画の本数でも同じやり方が使えます。「あと3本でおしまい」と数で区切ると、時間よりも分かりやすいようです。
自分で決めたという感覚があると、強制されている感じが薄れます。娘にはこの方法がよく効きました。終わらせたあとのご褒美は、物ではなく「これが終わったら好きな○○をしよう」という代替案にしています。
やめられないときの対処は子供がゲームをやめない時の対処法、動画の場合はYouTubeをやめさせるにはも参考になります。
設定の厳しさは、見守りの濃さとセットで決める
フィルタリングやスクリーンタイムの設定をどこまで厳しくするかは、家庭によって答えが変わります。
我が家は、娘が一人で動画を見る時間そのものが短く、何を見ているかをだいたい把握できています。そのため、設定で縛るより隣で見守るやり方を選んでいます。
動画を見ているときは、内容にかかわらず「今、何見てるの?」と声をかけます。楽しそうにしていれば何に惹かれているのか興味が湧きますし、教育上どうかと思うものはその場で確認して、別のものに切り替えます。
この形がとれているので、パスコードも娘と共有しています。ただしこれは、見守りが濃い家庭だから成り立っている運用です。一般的におすすめできるやり方ではありません。
設定を厳しめにするか緩めにするかは、親がどれだけそばにいられるかとセットで決めるものだと思います。片方だけを真似ると、かえって無理が出ます。
全体の考え方は子供のスクリーンタイムは何時間が適切かにまとめています。
家で制限がかかるものには、3つの種類がある
Switchを家に置かなかった経験から、私はひとつの整理を持つようになりました。「家で制限がかかるもの」は、同じに見えて3種類あります。
- 時間の制限:Switchやタブレットが代表です。放っておくと時間を忘れるため、家では区切りをつけにくいもの
- スペースの制限:大きなドレスのセットなどは、家のクローゼットに入りきりません。金銭とは別の、物理的な制約です
- 量の制限:人形のように、買おうと思えば買えるけれど、買いすぎは教育の面で気になるもの
3つは重なることもありますが、別々の制約です。Switchはこのうち「時間の制限」にあたります。家では管理が難しいからこそ、外で区切られた時間の中で触れる形が合うのだと、私は考えています。
悪影響を心配して遠ざけるのではなく、なぜ制限がかかるのかという理由のほうに目を向けると、向き合い方が見えてきます。
家ではできない遊びを子供に経験させる意味も合わせてどうぞ。
家に置かずに触れさせる、第三の道
買うか、買わないか。この2択で考えると、どちらを選んでも何かが引っかかります。実際には、その間に道があります。
我が家の場合、ひとつは祖父母の家でした。娘は2〜3週に一度、祖父母の家にお泊まりに行きます。そこでは比較的自由に過ごしていて、家では置かないものも、たまに訪れる場所でなら楽しめます。
毎日ではなく、たまにだからこそ特別な時間になる。この距離感が、結果として我が家には合っていました。
もうひとつは、時間制の施設を使うことです。代々木上原のKids Baseは完全予約制・時間制で、家に置くと時間の管理が難しいNintendo Switch・タブレット・UFOキャッチャー・お人形・ドレスセット・小上がり付きの大型滑り台などに、区切られた時間の中で触れられます。
対象は0歳から小学生まで。保護者の方にはコーヒーやカフェラテを無料でご用意しています(お一人2杯まで)。完全予約制なので、順番待ちで子供を我慢させることもありません。
Switchのソフトは、複数人で遊べるものを中心に10本ほど置いています。一人で延々と続けてしまうタイプのソフトは、あえて入れていません。
遊ぶ時間を、前向きな逃げ道として考える
最後に、少し別の角度から書かせてください。
娘は習い事が多く、平日の学校帰りに自由に遊べるのは、習い事のない曜日だけです。学校も宿題も習い事も、時間が決まっていて外せません。
だからこそ、その合間に息抜きの時間を持たせたいと思っています。遊びから学べることは多いですし、前向きな逃げ道を持っていることは、子供が強く生きるうえで必要だと感じます。
Switchを家に置くかどうかは、その逃げ道をどこに作るかという話でもあります。家に置けば、逃げ道は家の中にできます。置かなければ、別の場所に作る必要があります。どちらが正しいということではありません。
ただ、未就学児から小学校低学年のうちは、大人ほど時間の感覚が育っていません。子供任せにすると、宿題や勉強の時間が後ろに押されていきます。遊ぶ時間を確保しつつ、一日の流れは大人がゆるやかに導く必要があると、私は感じています。
悪影響を抑えるために、今日からできること
ここまでを踏まえて、買う家庭でも買わない家庭でも取り入れやすいものを挙げます。
- 時間ではなく予定に紐づける:「夕食のあと」「習い事から帰ったら」など、生活の順番に組み込むと守られやすくなります
- 終わりは予告して、本人に決めさせる:「あと何分にする?」と聞き、長すぎれば交渉して着地させます
- 就寝前は避ける:寝る1〜2時間前は画面から離れる時間にします
そして、家で制限をかけている場合ほど、外で発散させる機会をつくると子供の不満は和らぎます。禁じられているという感覚が薄れるためです。
まとめ
Switchの悪影響として挙げられるのは、視力、睡眠、やめどきの難しさの3つです。いずれも「長時間」「就寝前」「無制限」という条件がそろったときに大きくなります。時間と場面を区切れば、心配の多くは和らぎます。
我が家は5歳で「買わないよ」と伝え、4年間その状態を続けました。結果として分かったのは、買わないことと禁止することは別だった、ということです。実態は、端末と場所を選んでいただけでした。
与えるか与えないかより、どう付き合うか。そして、家の中だけで答えを出そうとしないこと。買う家庭にも買わない家庭にも、それぞれ納得できる線があります。
「家では買わないけれど、やりたい気持ちは受け止めたい」という方には、外で時間を区切って遊べる場所という選択肢があります。
代々木上原駅から徒歩2分のKids Baseは完全予約制・時間制の室内プレイグラウンドで、対象は0歳から小学生まで。料金は子供1時間1,100円(税込)、大人990円(税込)が目安です。まずは空き状況をご確認ください。
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この記事は、岩島けいが、一人娘の親としての実感と事業者としての観察にもとづいて執筆しました。子どもの発達や家庭の判断は個別の事情によります。最終的な決定は保護者の責任でなさってくださいますようお願いいたします。施設の設備やサービス内容、料金は変わる場合があるため、ご利用前に公式情報をご確認ください。


